今更ながらの9R59Dのある生活(10)・総集篇

録音端子の取付が終了した。予定通り、F1ロシアGPスタート前のことである
使用したのは2年前に実験してその後パーツ箱に放置されていたA47式のヘッドホンアンプ。
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ボリューム(AF GAIN)の両端から信号を取るので、基板の取り付け位置は周波数カウンタ用バッファアンプの直上、もとい直下。とりあえず部品が下向きになるのだけれど、「問題があれば対策する」とアマチュア精神に溢れた取付 なんとなく、アルミ板を挟み込んでシールドモドキにするのもアマチュア精神
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ネット上に溢れる基本的な回路と異なるのは出力側にカップリングコンデンサを入れたこと。オペアンプを使う上ではVcc/2の電圧が必要になる。準備できるのは周波数カウンタ用のDC10Vで、0Vがグランドレベル、シャーシアースされたもの。で、アンプ基板上で抵抗分圧でVcc/2を作るものの、Vcc/2はあくまでもVcc/2=DC5V。出力側は細工可能なものの、入力側は如何ともし難い ま、ここでも「うまくいけばいいじゃん」とアマチュア精神を発揮した結果が↓。出力側にカップリングコンデンサが必要となることに。
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単電源のオペアンプを使えばなんということはないのだけれど、予算と手持ちの関係での妥協 超低ひずみオペアンプを使っていたり、抵抗はオーディオ用だったり、コンデンサにはMMTを使ったり、電解コンデンサはアルミ固体だったり、まぁ、自作ならではの、ささやかな自己満足に浸れる逸品であったりはする。また、出力端子直前のCRの低音補償回路は効果が実感できないほどになってしまったが、これまでの名残りである。
今回はたまたまA47式のアンプを使うことになったけれど、録音用だとかヘッドホンでのモニタ用ならば、Chu Moy式だろうがその他の回路だろうが大差ないと思う。
気持ちゲインが高いように思えるけれど、外付けのグラフィックイコライザーにつけた空き穴対策のボリュームが活躍すればいいので善き哉。


Narrow化のテストが残っているし、OKになればマジックカキカキ基板化するつもりなので、まだ若干の作業はのこっているものの、一応はカタチが見えた
9月下旬に入手した9R59D。抵抗やコンデンサ類は交換されていて、RF(V1)は6CB6に交換(2番ピンと7番ピンの入れ替え済み)されていたブツ。およそ2週間を経て、中波用メイン機として実戦投入のはこび

現状の回路図と各部電圧は↓
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変更箇所は下記のとおり。

1) 出力トランス(T3)の取付位置を変更、またシールドケースに入ったノグチトランスのPMF-B7Sに交換(電源トランスからの誘導ハム対策)。

2) 出力トランスの2次側に100Ωを挿入。出力レベルは落ちるが、↑や↓の平滑回路の強化と合わせて、ボリュームを絞った状態でヘッドホンで聞いてもハム音には気づかないレベルになった。

3) PA(V8 6AQ5)のカップリングコンデンサを0.01uFから0.0047uFにして、R34とのHPFのカットオフ周波数を70Hzくらいに下げてみた。電源ハムの周波数は増幅しないという安易な発想だけれど、この効果については疑問符である また、PA(V8 6AQ5)には電流帰還をかけるべく、C37を取り外し。C33を30uFから47uFに変更したのは単なる思いつきの結果 戻す必要もなさそうなので、放置。

4) PA(V8 6AQ5)プレート回路用に平滑回路を増加、2番グリッドへの回路をRCでデカップリング、合わせてC42の容量変更等、電源部を一応強化(したつもり) B電圧をやや高めにするために(測定結果より判断)、R37を2.2kΩから2kΩに変更。

5) RF GAIN(VR1)をB10kΩからB5kΩに変更。本来はCカーブが必要だが、入手時にはB10kΩに交換されていた。Bカーブでは調整がクリティカルになりすぎるので、容量を小さくすることで操作性を上げたつもり。ここまでのテストではB3kΩくらいで良いのではと考えている。操作性ではAカーブに交換して、Max-Min位置を入れ替えるのが良さそうだけれど、左廻りでゲイン減少だとRF GAINの名前に合致しないという単なるポリシーで採用しなかった。RF ATTとテプラを貼ればよさ気だとも考えたものの、あくまでもGAIN調整回路なので却下

6) 検波部の基板裏面をアルミ板でシールド。過去に、ここにシールド板があるのを見たことがあるので、というのが理由。

7) Aバンド用パディングコンデンサの交換トリマコンデンサを交換。周波数のドリフトが多かったための対策。Narrow化を考慮して強行。

8) RF(V1)を6DC6に交換。すでに6CB6に交換されていたが、コリンズに恋焦がれるのならばいわば常套行為 もちろん、6DC6はシルバニア製である

9) 周波数カウンタ用に、AC6.3V→DC10V電源回路とバッファアンプを取付。0.1kHz直読機に

10) MF1をメカニカルフィルタからSSB用2.4kHz(6dB)セラミックフィルタに交換バラックテストを経て実装

11) ヘッドホンアンプを使った録音端子の取付(本記事)。

12) 音質改善のためにグラフィックイコライザーを外付け

また、Narrow化の回路図を再掲しておく。採用したのは上図であり、下図については今回は動作確認は行っていない。下図の回路も、自作真空管ラジオでテストしたことがあり、動作はするハズである。
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ここのA1とA2の間にNotchだとかの回路がもし入れられたとすれば、混信除去に効果があるように思えるのもアマチュアイズムというヤツだろう


名機を改造しようなどという愚行をよくもまぁここまで重ねたかと呆れるくらいに手を入れてしまった
はんだこてを握ってイロイロと作るのが好きだとはいれ、最新のSDR機だとかをポチる財力があれば9R59Dはインテリアとして外観の良いものを手に入れるだろうし、回路はマンマにしたと思う。ボンビーゆえの暴挙だし、これで今なお実用に耐えるとしたら素晴らしいことだと理由を後付しておく

ひとまず、これで大きな作業は終了である。
部品交換済み動作品(ジャンク品として出品)からここまで、主に在庫部品を充当したので正確な改造費用は出ないが、SSB用セラミックフィルタ込みでおよそ1万円程度はかかったいると思う。外観にいくらかか問題があるような品で、真空管は利用可能な部品交換が必要な品(要レストア品)で考えれば、1万円程度ならば買いなのかもしれないけれど、オクで入手できる金額ではない

こと中波に関して言えば、改造作業の最中の短時間の使用でも、中華ラジオは完全に凌駕している印象がある。9R59D自体は名機と称されてきたけれど、回路は高一中二のシングルスーパーにすぎないものの、真空管の素晴らしさを再確認できる機種である
今回はレストア品を入手したので、調整の範疇に入る作業だけだったので、いずれ、フルレストアにチャレンジしてみたいと思う。

なお、9R59Dの調整についてはブログ「春日無線~キング・オブ・ホビーと言われていたかつてのアマチュア無線。 そんな時代を作り上げた『春日無線(TRIO)』の機器を紹介します。」さんが公開されている「TRIO 9R-59DS 通信型受信機 取り扱い説明書」を参考にさせていただきました
また、ネット上にあふれる先達の知識、経験談など、いろいろな記事を参考にさせていただきました。先達に感謝を


↓はこれまでの格闘の記録。
今更ながらの9R59Dのある生活(9')
今更ながらの9R59Dのある生活(9)
今更ながらの9R59Dのある生活(8)
今更ながらの9R59Dのある生活(7)
今更ながらの9R59Dのある生活(6)
今更ながらの9R59Dのある生活(5)
今更ながらの9R59Dのある生活(4)
今更ながらの9R59Dのある生活(3)
今更ながらの9R59Dのある生活(2)
今更ながらの9R59Dのある生活(1)

この記事へのコメント

ラジオ大好き
2016年05月09日 09:26
はじめまして。私も、若かりし頃、9R59Dに憧れて、去年やっと手に入れました。フルレストア品で、程度が良く、中波受信で、手持ちのAR-7030+と、ほぼ同等の受信性能を発揮しています。今年、9R59DSも、手に入れましが、やはり性能は、低下しています。両機とも、手放すことは、ないと思います。大切な憧れの品として…。

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